「嘘なんかついてないわ」青木岑はまだ認めようとしなかった。
「そう?じゃあ賭けをしよう。もし君が嘘をついていたら、今夜は3回やることにしようか?」
「いやよ」青木岑はきっぱりと断った。
「まだ嘘じゃないって言うの?」西尾聡雄は彼女の言い訳なんて信じるはずがなかった。
青木岑は事態がばれたことを悟り、仕方なくバッグから赤い手帳を取り出した。
西尾聡雄はパラパラとめくって...口角を少し上げた。
「すごいじゃないか...全科目満点、この成績なら市内の医学のトップになれるぞ」
「トップだとか関係ないわ...これからは心配しなくて済むってことが大事なの...今まで手術を手伝うたびに、この資格がないから通報されないかってビクビクしてたから」
「でも今は大丈夫だ。これからは南区で思いのままにやれるようになったな」