第286章:桑原様、紅顔に怒りを発す(6)

「嘘なんかついてないわ」青木岑はまだ認めようとしなかった。

「そう?じゃあ賭けをしよう。もし君が嘘をついていたら、今夜は3回やることにしようか?」

「いやよ」青木岑はきっぱりと断った。

「まだ嘘じゃないって言うの?」西尾聡雄は彼女の言い訳なんて信じるはずがなかった。

青木岑は事態がばれたことを悟り、仕方なくバッグから赤い手帳を取り出した。

西尾聡雄はパラパラとめくって...口角を少し上げた。

「すごいじゃないか...全科目満点、この成績なら市内の医学のトップになれるぞ」

「トップだとか関係ないわ...これからは心配しなくて済むってことが大事なの...今まで手術を手伝うたびに、この資格がないから通報されないかってビクビクしてたから」

「でも今は大丈夫だ。これからは南区で思いのままにやれるようになったな」