第315章:他人の物を奪う(5)

「いや……もし危険があったなら、前回私たち二人は無事に帰れなかっただろう」西尾聡雄はお茶を一口飲みながらゆっくりと言った。

リックは少し驚いた

そして西尾聡雄を見て言った、「あなたの言いたいことは……相手があなたたちだったから、手を出さなかったということ?」

「おそらくそうだろう……彼らが岑を気にしているのか、私を気にしているのかはわからないが……また彼らが私たちの真相調査を妨げる理由も分からない」

「この件は本当に奇妙だ……地元のボスたちも私に関わらせたくないようだし、私も単純な話ではないと思う」

「この事件は複雑だ。青木岑の出自、そして数年前の診療所の火事、永田伯父の死、すべてが不可解だ……しかもこれは何年も前の事件で……多くの死者が関わっている。だから君の部下が行っても死ぬだけで、何も調べられないだろう。私自身が動いた方がいい」