第322章:油瓶を連れて旅行へ(二)

「はい。」山田悦子は歯を食いしばって答えた。

「そう、あなたがそう言うなら、私は何も言えないわね。」青木岑は苦々しく笑った。

「ごめんなさい、先輩。あなたが私に良くしてくれていることは分かっています。でも私には考慮すべきことが多すぎて……。」

「いいえ、あなたは私に対して何も悪くないわ。あなたが申し訳ないのは幸治に対してよ……最初から私はあなたたち二人が一緒になることに反対だったの。二人とも若すぎるし、物事の処理方法も全く未熟で、お互いに傷つけ合うことになるのは避けられないから……でも幸治はあなたに深い感情を持っていて、姉として、仲を裂く役をするのは忍びなかったの……今この段階まで来たなら、私はあなたを責めないわ。ただ、だらだら引き延ばさないでほしい。別れるなら、はっきり彼に言って、彼をバカみたいに待たせないで。」