青木岑は少し言葉を失った……
しかし礼儀として、それでも尋ねた。「いくら借りたいの?」
「二百万円くらい……いいかな?」
「そんなにたくさん何に使うの?」二百万円は青木岑にとって大した額ではないが、寺田徹がこのお金で何をするのか知りたかった。
「あぁ……薬局を買い取って、自分でやりたいんだ。もう会社勤めはしたくない。人に管理されるのは辛いから」
「二百万円では薬局は買えないわ。最低でも薬局に投資するなら、六百万から千万円はかかるわ」
「あぁ……その、私は他の人と共同経営するんだ……相手が四百万円出して、私が二百万円出す予定なんだ」寺田徹はまた言い方を変えた。
「薬局はどこにあるの?家賃は年間いくら?許可証は揃ってる?法人代表は誰?」
青木岑は立て続けにいくつもの質問を投げかけた……