「プッ……」この言葉を見て、青木岑は一口のコーラを吹き出しそうになった。
佐藤然と熊谷玲子のカップルはこんなにおバカでなくてもいいんじゃない?
なぜ彼女の周りには普通の人がいないのだろう。中島美玖と関口遥ならまだマシだと思っていた。
でも後になって、彼らはドロドロ系だと分かった。婚約、妊娠、入籍、すべて予兆なく、あっという間だった。
青木岑はドン引きした……
毒舌カップル、ドン引きカップル、そう考えると、彼女と西尾様のカップルだけがまだ普通に見える。
そのとき、また誰かがコメントした……
「おや、小娘は新婚旅行に行ったのか?」これは青木重徳のコメントだった。
青木岑は返信する気もなかった……
長い夜、青木重徳は家で青木家の連中を見ているとイライラした。
だからいっそ出かけて酒を飲みに行った……
そして桑原勝と矢野川も気晴らしに出てきて、彼らはちょうど一緒に個室を取った。
青木重徳はスマホを手に笑いながら言った。「あの娘はいつもこんなに控えめで、新婚旅行に行くのも静かにこっそりとは、まったく参ったな」
桑原勝は何も言わず、ただ黙って酒を飲んでいた……
「どこに行ったんだ?」矢野川はおせっかいに口を出した。
「モルディブさ……西尾超金持ちがチャーター機と島を貸し切りにして、俺の妹は……贅沢三昧だよ」青木重徳のこの言葉は実は少し酸っぱい味がした。
「モルディブはいいね、西尾聡雄の目は確かだ」矢野川もモルディブが好きで、毎年必ず行っていた。
しかも毎年違う女性と休暇に行くので、関口遥は彼をからかって、人身売買業者みたいだと言っていた。
「いいのか?インドネシアの猿の小さな島に過ぎないだろう……インドネシアは反中国感情がかなり強い民族だぞ……」桑原勝は酸っぱく言った。
「おや、桑原様はいつからそんなに愛国的になったんだ?まるで行ったことがないみたいな言い方だな」矢野川は笑った。
「これからはタヒチに行くべきだ、あそここそ美しい」桑原勝はひとりごとのように言った。
実は心の中ではモルディブに飛んで行きたくてたまらなかった……
もしこの機会に彼と青木岑があそこに行けたら、きっと幸せで死んでしまうだろう?
桑原勝はグラスを持ちながら寂しげに空を見つめていた……