第360章:青木家の乱(10)

「源人……私はそんなにたくさん持っていないわ。でも息子を刑務所に入れるのを見過ごすこともできないわ……彼もあなたの息子よ」

「話をそらすな。教えてくれ、この数年間、お前はいくら貯金したんだ?」

「源人……」神谷香織は甘えるような様子で、ごまかそうとしているようだった。

「答えろ」

「わざとじゃないのよ、ただ私たちに生きる道を残しておきたかっただけ……もし何かあった時に、私たち家族が路頭に迷わないように……」神谷香織は小さな声で説明した。

「それで?いくら貯めたんだ?」

青木隼人と青木婉子は横に座って、声を出す勇気もなかった。

小林紅は実家に帰って数日滞在しており、家には彼らだけだったので、話を聞くのには都合が良かった。

「そんなに多くないわ、たった2億ちょっとよ……」

神谷香織は小さな声で言った……

「ふん……たった2億か……神谷香織、俺はお前を見くびっていたようだな、お前はやるな……」青木源人は冷笑した。

「源人……これは全部現金じゃないのよ。私が前にした投資で儲けたものや、株や不動産で稼いだものよ。全部が家のお金というわけじゃないわ」

「それで……今お前は2億持っていて、あと1億以上足りないが、どうするつもりだ?」青木源人は一言一句はっきりと尋ねた。

「源人……隼人もあなたの息子よ。見殺しにはできないでしょう。残りはあなたが助けてくれない?」

神谷香織は手を伸ばして青木源人の手を取ろうとしたが、彼に払いのけられた。

「考えるな。まだ俺に尻拭いをさせようというのか?なぜ俺のことを考えない?え?いい年をして、頭がおかしくなったのか?どうしてこんなことをする?今日の取締役会で、俺がどれだけ面目を失ったか分かるか?」

青木源人は激怒した……

「父さん……わざとじゃなかったんだ、僕はただ……」

「黙れ……後でお前を片付ける」

青木隼人を指さして怒鳴った後、青木源人は冷たい目で神谷香織を見た。「金は一銭も出さん。さもなければ彼を刑務所に入れるがいい」

「どうしてそんな……ことを?」

「自業自得だ……この数年、俺たちは彼を甘やかしすぎた。結果を見ろ、今の彼の姿を……彼も20代だ、スターキングの桑原勝も20代、GKの西尾聡雄も20代だ。差は二百万円どころじゃない」