「私も嬉しいわ。彼は私たちの会社のタレントだから、彼が人気者になって、たくさんの人に好かれて、将来会社に大金を稼いでくれるなんて、嬉しくないわけがないでしょう」水野日幸は一層嬉しそうに笑った。
長谷川深は「稼ぐ」という言葉を聞いて、少女の顔に「お金」という文字が書かれているのを見るかのように、唇の端を少し上げて言った。「葛生は白川語のことが好きなようだ」
彼女が好きなのは、その人がお金を稼いでくれること、利益をもたらしてくれることであって、その人自身ではない。
水野日幸はプッと笑い、わざと少し離れたところに立っている葛生を見て、長く「へぇー!」と言った。
なるほど、葛生は派手な、人間富貴花タイプが好みなのね。白川語は『笑江山』の女二号で、高橋夢が本人役で演じている。