翌日の早朝、一晩中降り続いた大雪で、外は銀世界となっていた。
水野日幸はカバンを背負い、中庭に出た時、足取りを緩め、隣家の方をそっと見やり、梯子の側まで行ったものの、やはり躊躇して、こっそりと身を翻した。
やっぱりやめておこう!
もう兄さんに会わせる顔がない。
結局のところ、彼女の厚かましさが足りないだけだ。恥ずかしがることなんてないのに、彼のことを心配して何が悪いの?
心配するのは当たり前のことじゃない。野良猫や野良犬に餌をやっていて、ある日突然一匹いなくなったら、どこに行ったのか心配して探しに行くでしょう!
彼女が振り返ろうとした時。
突然。
目の前を紙飛行機が飛んできて、ちょうど彼女の足元に落ちた。
拾い上げると、そこには文字が書かれていた。
男性の文字で、力強く、流麗で落ち着いた筆跡:私の携帯番号です。何かあったら直接連絡してください。