第147章 一目惚れ

特に彼女が生まれながらに持つ内側から外へと漂う貴族の気品は、数世代の積み重ねがなければ決して持ち得ないものだった。

彼は少し興味を持った。中森茜先生の本当の身分は一体何なのだろう?彼女は一体どこの家の令嬢なのか?

「では藤田さん、これで失礼します。また明日お会いしましょう」水野日幸は立ち上がり、目の前の男性に礼儀正しく微笑みかけた。

彼女が来たのは仕事の話をするためだけで、あまり長居するのも良くないと思った。人に嫌われたくなかったし、そもそも彼女はどんなことでも公私をきちんと分けていた。

「中森先生、お気をつけて」藤田清輝は彼女を玄関まで見送り、女性の後ろ姿が見えなくなってから扉を閉めた。内心の興奮を抑えきれず、景山昱に命じた。「調べろ。2分以内に彼女の全ての情報を持ってこい」