この数日間は珍しく晴天が続き、太陽が強く照り、体に当たると暖かい。
水野日幸はマンションの入り口を通りかかった時、真っ赤なりんご飴を何本か買った。出雲さんと水野は酸っぱいものが苦手なので、彼らにはイチゴのものを。
彼女は酸っぱいものが好きで、サンザシを2本。お兄さんは胃の調子が良くないから、山芋の実を1本。そしてみかんを1本、これは葛生のために。
葛生は何度も何度も見回りをしていたが、水野日幸がりんご飴を持って来るのを見かけると、すぐに報告した。「ボス、水野お嬢様がお戻りです。」
長谷川深は頷き、低い声で指示した。「荷物を全部上げてくれ。」
水野日幸は帰宅後、まず2本のイチゴのりんご飴を保管し、それから興奮して梯子を上った。目をやると、ダイニングテーブルに座る男性が目に入った。