第151章 目を汚す

藤田清輝は少女が入ってくるのを見て、優しい瞳に明らかな喜びが浮かび、綿菓子を手渡しながら言った。「可愛いでしょう?気に入った?」

水野日幸はこれまでの人生で、こういった小物にはもう免疫ができていたが、藤田スターの期待に満ちた眼差しに応えて受け取り、「ありがとうございます、藤田さん」と言った。

藤田清輝は部屋中に散らばったお菓子を指差しながら、笑顔で言った。「何が好きか分からなかったから、女の子が好きそうなお菓子を全部買ってきてもらったんだ」

その一言で、水野日幸は呆然とした。部屋中に山積みされたお菓子を見て、なんと映画スターが彼女のために買ってくれたのだと気付いた!

藤田清輝は優しく微笑んで言った。「他に食べたいものがあったら、景山昱に買いに行かせるよ」

彼は彼女が退屈しないように、少し食べ物を買っておいてもらったのだ。

水野日幸は首を振って、「藤田さんのご厚意、十分すぎます」と答えた。

藤田清輝は少し緊張した様子で期待を込めて尋ねた。「気に入った?」

水野日幸は映画スターが心を込めて用意してくれたものを嫌いなどと言えるはずもなく、「はい」と答えた。

藤田清輝はようやく嬉しそうな表情を見せ、神々しいほど美しい顔に、波紋のように笑みが広がり、見る者の心を揺さぶった。

水野日幸は恐縮していた。もし映画スターの彼女への眼差しがあまりにも純粋で、微かな恋愛感情も含まれていなかったとしたら、彼が自分に好意を持っているのではないかと考えてしまうところだった。

藤田清輝の体型と容姿は、生まれながらのモデル体型で、何を着ても様になった。シンプルな白のセーターと黒のロングコートだけで、その優雅さは際立ち、目が離せないほどだった。

水野日幸は簡単にメイクを施しただけだった。映画スターの比類なき美しい顔立ちを化粧品で汚すのが忍びなかったからだ。

化粧鏡の中で、彼は静かに座っているだけで、まるで芸術家の手による最も完璧な彫刻のように、気品と優雅さに満ち、人々を魅了していた。

水野日幸は、藤田スターのような美の神様は、スタイリストなど必要ないと感じた。何を着ても、それがすぐにファッションになってしまうのだから。

傍らで待機していた景山昱も、水野日幸のスタイリング能力に感嘆せずにはいられなかった。