第170話 魚死して網を破る

「生意気な小娘め」柳原浪尾は怒りで机を叩いて立ち上がり、顔は豚レバーのような色に変わり、怒り心頭で言った。「お前は出雲七というんだな。お前の社長に伝えろ。この件は交渉の余地なしだ。承諾しようがしまいが、従ってもらうぞ」

彼はずっと高い地位にいて、特に部長になってからは、誰もが丁重に接してきた。こんな生意気な小娘に会うのは初めてだった！

この脚本家は、もう芸能界で生きていく気がないようだな。彼が一言で彼女を干せば、誰も彼女を使わなくなるだろう！

「柳原部長は偉そうですね」水野日幸は軽く目を上げ、瞳には無邪気な色が宿り、薄い唇を開いて言った。「私を脅しているんですか？」

柳原浪尾は始終平然とした態度の少女を見て、胸の中で怒りが込み上げ、彼女の態度に完全に激怒した。「試してみればいい。私が脅しているかどうかをな」

この生意気な小娘め、随分と口が立つじゃないか！

芸能界から干された時に、まだ彼にこんな態度が取れるかどうか、見ものだ！

「来るものは拒まず、私も少し脅しをかけさせていただきましょう」水野日幸はゆっくりとテーブルの上のお茶を取り、一口啜って笑いながら言った。「もし契約を正しく履行しないのなら、次回のドラマは絶対に手に入りませんよ」

「お前は...」柳原浪尾は息が詰まり、目の前が暗くなり、怒り心頭で彼女を指差した。「お前など何者だ。お前が渡さないと言えば渡さないとでも？お前の会社の社長でさえ、私にこんな口を利けないぞ」

この若造め、本当に生意気すぎる。誰が彼女にそんな勇気を与えたんだ。腹が立って仕方がない！

水野日幸は眉を上げ、目に冷たい殺気を宿して言った。「私が脚本家だけでなく、コスモスエンタテインメントの大株主でもあることを誰も教えてくれなかったんですか？コスモスエンタテインメントの社長、源那津も私の言うことを聞くんですよ。

私があなたを恐れているとでも思わないでください。最悪の場合は共倒れです。試してみてください。次回の話を手に入れられるかどうか」

柳原浪尾は喉に血が詰まったような感覚を覚え、目の奥に陰険な色を宿し、歯を食いしばって彼女を見つめた。「どうしたいんだ？」

目の前の生意気な小娘がどれだけ傲慢で横柄でも、『笑江山』は絶対に手放せない。このドラマは本当に素晴らしく、クオリティが高すぎるのだ。