水野日幸は忙しく作業をしていたが、母の声を聞いて急いで階下に駆け降りた。「お母さん、どうしたの?」
出雲絹代は彼女の手を引いてテレビを見せた。「日幸、見てみて。このドラマのテンポがおかしいと思うんだけど、よく見てくれない?」
水野日幸はソファに座ってドラマを見始めた。見れば見るほど表情が暗くなり、最後には目に冷酷な殺気が宿り、その奥底には怒りの炎が燃えていた。
よくも!
テレビ局の図々しさには呆れる!
彼女のドラマを勝手に編集するなんて!
今日放送された内容には、既にカットしたはずのシーンが大量に追加され、テンポは遅くだらだらと、内容は冗長の極みだった。
さらに腹立たしいことに、CMの放送時間が2倍になっていた。
「日幸、おかしいでしょう?」出雲絹代が尋ねた。
水野日幸は頷いた。おかしいどころか、とんでもなくおかしい。誰が彼らにドラマを勝手に編集する権利を与えたというのか。「お母さん、今から会社に行ってくる」