第168章 禍水を東に引く

テレビ局が彼らをこんなに馬鹿にするなんて、明らかに彼らを舐めきっているということだ。

こういうことは、一度あれば二度目もある。妥協では問題は解決できない。態度を強硬にしなければならない。

車の中の二人の会社幹部は、源社長の命令で水野若社長に同行していた。自分たちの水野若社長が若くても実力があることを知っており、彼女に会うたびに圧倒されていた。

今日は特に強く感じた。水野若社長は普段、重要な会議に出席する時は自ら臨席し、言葉は少ないが、一言一言が核心を突き、手際よく孤高で威厳があった。もし彼女の本当の年齢を知らなければ、誰も彼女がたった十七歳だとは信じないだろう。

今日の水野若社長は、普段の冷たい威厳に加えて、何か殺気立った雰囲気があった。まるで出陣を控えた無敵の戦神将軍のようで、人々に畏敬の念を抱かせた。