第176章 誰があんたの兄貴だ

水野日幸というあの忌々しい生意気な女め。横暴で意地悪で、若菜をいじめるだけでなく、三男も次男も彼女に散々苦しめられ、母までひどく腹を立てている。

見なかったことにすればいいものを、見てしまった以上は決して許すわけにはいかない。

ここはどこだと思っているんだ。彼女のような身分の者が入っていい場所じゃない。

「大変申し訳ございません。すぐに対処させていただきます」ロビーマネージャーは慌てて謝罪し、假山の方をちらりと見て、目に明らかな軽蔑の色を浮かべながら、警備員に命じた。「何をしているんだ?早く追い出せ」

彼はロビーマネージャーとして十年以上勤めており、上客かどうかは服装や雰囲気で一目で分かるのだ。

あの娘は普通の服装で、どこから紛れ込んできたか分からないような者だ。