第252章 兄弟の決裂

曽我時助は彼に向かって唾を吐き、怒りと嫌悪の眼差しでゴミを見るように彼を見つめた。「時助なんて呼ぶな、気持ち悪い。大豆田秋白、今日からお前は俺の兄弟じゃない。目が眩んでいたから、お前を兄弟だと思っていただけだ」

大豆田秋白は細長い狐のような目を細め、その瞳の奥には測り知れない暗い色が宿っていた。「時助、落ち着けよ」

「出て行け！」曽我時助は怒りの声を上げ、大豆田秋白を含む全員に恨みがましい目を向けると、足を引きずりながら立ち去った。

辻緒羽は軽蔑的に冷笑い、負け犬のように去っていく曽我時助を見て、大豆田秋白を横目で見た。「お前って本当に人でなしだな」

自分の兄弟と決裂までしたのに、何事もなかったかのような顔をしている。

大豆田秋白は笑った。「お褒めに預かり光栄です」