第268章 後ろ盾になって尻拭いする

柴田玉平は見ていて心が喜び、目を見張るばかりだった。少女は何でもできるようだった。

老人と少女の二人は、土を掘り返し、土を耕し、花を植え、水をやり、昼まで忙しく働いた。

柴田玉平は少女を笑顔で見つめながら「疲れたかい?」と尋ねた。

水野日幸は頷いて「疲れました」と答えた。

「疲れたのが当然だよ。君は疲れを知らないのかと思っていたよ!」柴田玉平は目に愛おしそうな色を浮かべて「ご苦労様。さあ、食事にしよう」

水野日幸は素直な娘で、特に尊敬すべき老人を前にしては、朝から今まで、彼の意図するところも大体理解していた。

柴田家の料理人の腕前は素晴らしく、四品の料理と一つのスープ、肉と野菜のバランスが良く、栄養も均等だった。ただ味付けが少し薄めだったが、これも理解できた。結局のところ、お年寄りの食事なので、味付けは控えめにすべきだった。

昼食中、柴田家の執事がやって来て、老人に報告した。「旦那様、あの若い方がまた来ております。外でまだ待っているそうで、今日お会いいただけないなら帰らないと申しております」

「彼に伝えなさい。いくら出すと言っても、品物は売らないと。」柴田玉平の表情は厳しくなった。「もう来て困らせないように言いなさい。私は彼らには会わない」

水野日幸は老人が不機嫌になったのを見て、魚の切り身を取り分けてあげた。

柴田玉平は目の前の少女を見て、ようやく気分が少し良くなった。

午後、水野日幸はまた老人と一緒に読書をし、釣りをした。

まともな仕事はせず、一日が過ぎていった。

先生から聞いていた、老人は気難しく付き合いにくい、とても厳しいという話と比べると、確かに気難しさはあったが、付き合いにくいとは感じず、むしろ親しみやすく慈愛に満ちていた。

柴田玉平は彼女を夕食に招き、食事の後で囲碁を一局打った。

水野日幸の囲碁の腕前は老人には及ばず、一手及ばず負けてしまった。

柴田玉平は彼女に満足し、帰る前に尋ねた。「なぜ私に汴繡術を習いたいのかね?」

水野日幸は敬意を込めて老人を見つめ「最近デザインした新しいドレスで、長く比較検討した結果、汴繡術の技法でこそ最高の視覚効果が得られると考えたからです」と答えた。

柴田玉平は笑った。「君は正直だね」