彼女は人から聞いた話では、藤田家の三兄弟はそれぞれ異なる魅力を持っていて、藤田清輝は大人びた美しさがあり、目の前の少年は若いながらも、その雰囲気と中性的な美貌は芸能界のイケメンや美女たちを圧倒するほどだった。
「座って、遠慮しないで」松原白羽は慈愛に満ちた笑顔で二人を見つめた。
月は二人のことを才色兼備と言ったが、それは間違いない。でも彼女から見ると、恋人同士には見えなかった。
藤田清明は先に水野日幸の椅子を引き、彼女が座るのを見届けてから、紳士的に優雅にナプキンを広げてあげ、それから自分の椅子を引いて座った。
水野日幸は彼からこんな丁寧なサービスを受けるのは初めてで、少し慣れない感じがした。心の中で感心していた。さすが演技が上手い、藤田スターの弟だけあって、芸能界に入らないのは惜しい、アカデミー賞ものだ。
藤田清明は水野日幸の心中を察したかのように、振り向いて優雅な笑みを浮かべた。
水野日幸:……
料理はすぐに運ばれてきた。
美を愛する心は誰にもあるもので、関口月も例外ではなく、向かいに座る二人の神がかった美貌の持ち主を前に、気分は最高潮で、料理も普段より美味しく感じられた。
水野日幸はパクチーが苦手だが、酸菜魚が大好きだった。食卓でお箸を使って食べ物を選り分けるのは失礼な行為だが、食いしん坊にとって好きな物が食べられないのも一種の拷問だった。
特にテーブルの上の酸菜魚は非常に魅力的で、酸っぱい香りが食欲をそそった。
結局。
我慢できずに酸菜魚を一切れ取った。
藤田清明は彼女が酸菜魚を取るのを見て、自分も一切れ取った。
松原白羽は向かいの二人が真剣な表情で、同じように落ち着いてパクチーの葉を取り除く様子を見て、その動作と表情があまりにも似ていることに気付き、冗談めかして言った。「お二人とも、まるで双子みたいですね」
「誰が彼と双子よ!」
藤田清明と水野日幸は口を揃えて言い、お互いを見つめ合い、同時に相手の目に嫌悪感を見出した。
松原白羽は思わず笑い出し、関口月に尋ねた。「月、どう思う?」
彼女の一言で目が覚めたかのようだった。
関口月は少し興奮して、強く同意を示して頷いた。「似てます」