第351章 一夜眠れず

長谷川深は首を振り、重々しい声で言った。「見張りを付けておけ」

彼の可愛い少女はまだ遊び足りていない。曽我家の未来がどうなるか、どんな結末を迎えるかは、少女自身が決めることだ。

水野日幸は飴を抱いて家に帰った。

水野春智は料理を持って台所から出てきて、彼女に尋ねた。「この子はどうして隣に行ったの?」

水野日幸は笑いながら子猫の頭を軽く叩いた。「自分で足があるんだから、この子に聞いてよ」

聞くまでもない。きっと彼女とお母さんが出かけて、遊び相手がいなくなって、お兄さんが帰ってきた音を聞いて、こちらで騒いだから、お兄さんが連れて行ったんだろう。

「これからは外出するときは気をつけて、ドアをちゃんと閉めて、逃げ出さないようにね」水野春智は何か変だと感じていた。

まだ生後2ヶ月ちょっとの小さな子で、この小さな体で向こうまで行けるのかな。でも、まあ、梯子もあるし、猫は他の動物と違って賢くて機敏だからね!