第402章 心の鼓動

水野日幸は深く眠り込んでいて、ソファーに伏せたまま眠っていた。顔はクッションに埋もれ、後頭部だけが見えていた。

藤田母が入室した瞬間、ソファーで眠る子供の姿が目に入った。ソファーに伏せ、体を丸めて、小さな塊のように、後頭部しか見えなかった。彼女の目には優しさと少しの困惑が浮かんでいた。

玄次の友達も、彼と同じように、疲れると実験室で直接眠ってしまうのね。

玄次は実験をする時、よく寝食を忘れ、昼夜逆転して、実験室のどこかで眠ってしまうのが日常だった。

この習慣はよくないと何度言っても聞かなかったので、彼女は各実験室に専用のスペースを設け、ビーズクッションとサイドテーブルを置くよう指示した。疲れた時はソファーで寝る方が、適当な場所で寝るよりましだから。

傍らに収納棚があり、彼女は忍び足で近づき、棚を開けて毛布を取り出し、風邪を引かないようにかけてあげようとした。