第404章 迎えが来ている

藤田清義!

前世で何か悪いことでもしたのか、どこに行っても彼に会ってしまうなんて。

藤田清義は彼女を見た瞬間、一瞬固まった。ここで彼女に会うとは思ってもみなかった。目には冷たい色が宿り、その眼差しは鋭い刃物のように彼女を一瞥した。

水野日幸も負けじと彼を見返し、同じように冷たい視線を送り返した。

藤田母は二人の視線の応酬を感じ取り、空気が一瞬で冷え込んだように感じた。しかし、再び見た時には、二人とも普通の様子に戻っていた。

「母さん」藤田清義は声をかけたが、水野日幸には一瞥もくれず、まるで空気のように無視した。

水野日幸も彼を無視することにした。ただ、藤田奥様に挨拶をしてから行くべきか少し迷ったが、最終的に何も言わずに立ち去ることにした。その態度は極めて高慢で冷淡だった。