第405章 銃口に当たる

眠っていた飴は、肉の香りを嗅ぎつけて這い上がり、その香りを追って長谷川深の方へ這って行き、ニャーンと鳴いて甘えながらおねだりした。

長谷川深は飴を抱き上げて膝の上に置き、おやつの袋からキャットニップを取り出した。意気地なしの小さな奴め、すぐにキャットニップに魅了されて、肉のことなど忘れてしまった。

水野日幸は飴を見て、こいつはどこへ行くにも付いて来るなと思った。

長谷川深は笑いながら説明した。「ここに来たばかりで環境に慣れていないから、安心できないんだ。僕の膝の上から離れたがらないのは、置き去りにされるのを怖がっているんだよ。」

この小さな奴め、なかなか賢いじゃないか!

水野日幸は率直に二文字で、軽蔑するように呟いた。「情けない!」

飴はキャットニップに魅了されて心地よい喉を鳴らしながらも、合間を見て水野日幸に向かってニャーンと一声鳴いて、抗議した。