水野日幸は彼が自分を嫌っていないことさえ分かれば十分で、他のことは何とでもなる。彼の意思など気にせず、すでにしゃがみ込んで、彼の足の上の毛布を取り、真面目な様子で言った。「私は全部準備してきました。できなくてもできるようにしなければなりません。私は医者で、患者は医者の言うことを聞かなければなりません」
長谷川深は眉を少し寄せ、少女が彼の靴を脱がせ、靴下を脱がせ、ズボンの裾をまくる様子を見つめていた。その動作は手際が良く、脚に何の感覚もないはずなのに、彼女の白い小さな手が触れる度に、まるで心に触れているかのような感覚があった。
水野日幸は初めて彼の脚を見た。脚の筋肉はすでに萎縮し始めており、特にふくらはぎは棒のように細く、皮膚も乾燥気味で、不自然な白さをしていた。
長谷川深は少女の翡翠のような輝きを放つ手を見つめ、そして自分の脚を見た。瞳の奥底に、憎しみと残酷さが少しずつ滲み出し、深い無力感が彼を飲み込んでいった。
醜いだろう!
彼の脚は見苦しいだろう!
怪我をしてから、彼は一度も自分の脚と向き合おうとしなかった。この醜い、人々に憎まれ、絶望と無力感を与える脚を!
水野日幸は真剣に診察し、白い玉のような指で優しく慎重に彼の脚を水に入れながら言った。「お兄さん、今日から毎日マッサージと鍼治療を行って、二週間後には二日に一回に変更します。あなたの方は大丈夫ですか?」
長谷川深は両手を強く握りしめた。彼女の目に同情や嫌悪、失望の色を見たくなかったから。
よかった。
彼女にはそれがなかった。
彼女は少しも彼の醜い脚を嫌がらなかった。
「醜いだろう!」彼は真剣に彼女を見つめ、質問に答えずに逆に問いかけた。その口調には自嘲と、わずかな期待が混ざっていた。
「はい」水野日幸は頷き、正直に答えた。男性の体が一瞬こわばるのを感じ取った。彼女は顔を上げ、卑屈さを帯びた彼の目と向き合った。心が少し痛んだが、それでも明るく笑って、自信に満ちた様子で言った。「だからこそ、しっかりリハビリをしないといけません。私を信じて、私の治療に協力してください。立てるようになったら、また鍛え直しましょう」
「君は僕を見捨てないか?」長谷川深は一字一字、まるで心の奥底から絞り出すように言った。瞳の奥には、燃え上がるような激しい独占欲が宿っていた。