練習生の棄権問題について、最終的には曽我廣波の意見を聞く必要があった。彼が来るのを見て、皆が挨拶をし、彼を見つめた。
曽我廣波は困惑した表情で、まず木村鷺に二言三言声をかけ、慰めた。副局長の姪だから、それなりの面子は立てなければならない。
この子の成績も悪くなく、順位戦では毎回トップ10に入り、最近では8位まで上がってきていた。毎回順位を上げていたのに、準決勝を前にして、重要な時期にこんなことが起きてしまった。
彼も聞いていた。階段で足を滑らせて転んでしまったのだと。
谷川陽は曽我廣波が木村鷺との会話を終えるのを待って、彼に意見を求めた。「曽我監督、この子は番組に続けて参加したいと言っていますが、何か方法はありませんか?」
曽我廣波は眉をしかめ、難しい表情で考え込んだ。すぐに藤原遥たちと同じ答えを出した。「木村鷺選手の健康が一番大切です。」