A組にも小グループができていた。七人のうち、石田文乃、山本雅子、関口柔以外の二人も、彼女たちのグループに引き込まれていた。
今、彼女たち二人も他の二人に引っ張られて、エレベーターを降りてF組に向かっていた。F組の様子が気になって見に行くことにしたのだが、タイミングよく出雲先生と出くわしてしまった。
曽我若菜が最初に挨拶をし、優しく微笑んだ。「出雲先生、こんにちは」
水野日幸は無表情で彼女を一瞥し、頷いた。
木村鷺たちも挨拶をしたが、彼女は話が多く、優越感も強かった。自信に満ちた様子で近づいていき、「出雲先生、ダンスがすごく上手いって聞きましたけど、ちょっと分からないところがあるんですが、教えていただけませんか?」
水野日幸は率直に断った。「私はあなたの担当講師ではありません」