第512章 あの夕子先生が悪いのよ

来た人は、他でもない、川村染と曽我時助だった。彼らは本来、曽我若菜を応援するために現場に来るはずだったが、飛行機が遅延し、現場に着く頃にはトレンド入りを見て、急いで駆けつけたのだった。

曽我若菜はスタッフが川村先生と呼ぶのを聞いて、拳を握りしめたが、心の中ではほっとした。大丈夫、お母さんがいる、きっと助けてくれる、自分の味方になってくれるはずだ。

曽我時助はスタッフを追い払った。

川村染は近寄り、複雑な表情でベッドに横たわる曽我若菜を見つめ、目が少し赤くなっていた。ベッドの端に座り、低く溜息をつきながら「若菜」と呼びかけた。

この子はどうしてこんなに不注意なことをして、弱みを握られてしまったのか。あの夕子先生は一体何者なのか、よくも現場で暴露するような大胆なことができたものだ。