第511章 剽窃の確定

曽我若菜が気を失い、曽我言助は彼女を抱えて去った。監督の曽我廣波は二人のスタッフに指示を出し、曽我言助を追いかけて呼び戻すように言った。

番組はまだ生放送中で、曽我若菜のグループの出番は終わっていた。テレビの前の視聴者のほとんどはまだ何が起きたのか知らないはずで、番組も収録を中止するわけにはいかなかった。

CMを挿入し、わずか3分の時間。次のグループの出番の前に、ディレクターは曽我廣波の指示に従って、決勝戦用に編集された練習生たちの成長ビデオを流し、時間を稼いだ。

ネット上では、曽我若菜の盗作が話題のトレンドに上がり、ネットユーザーたちは大騒ぎになった。まだ多くの曽我若菜の熱狂的なファンたちは、事実を認めようとせず、ネットユーザーと口論を続けていた。

楽屋では、全員が夕子先生を見つめ、曽我若菜の盗作した編曲を見つけたかどうか知りたがっていた。特に藤原遥は焦っていた。主に曽我若菜は彼女が育てた人材だったので、事態がこのようになることを本当に見たくなかった。

「夕子先生、もう探さなくていいです」木村春奈が先に声を上げ、スマートフォンのイヤホンを外して音楽を外部スピーカーで流した。耳に馴染みのあるメロディーが流れ、まさに曽我若菜が使用した編曲だった。

ただし音楽だけで歌詞はなく、メロディーは全く同じで、驚くべきことに少しも変更せずに、そのまま使用していた。

「これです」水野日幸が頷き、その後彼女に尋ねた。「どのサイトですか?」

木村春奈は先にサイトの名前を彼女に伝えてから、他の人々を見て言った。「この曲は、VFという海外のマイナーな音楽サイトで発表されたもので、発表時期は2ヶ月前です」

2ヶ月前というと、曽我若菜が編曲を出した時期より半月早く、間違いなく盗作だと確認できた。

このようなマイナーな音楽サイト、しかも南アフリカのローカルな音楽サイトは、普通の人は気にも留めない。たとえ盗作されても、影響力がどれほど大きくても、作者のところまで伝わるかどうかわからず、このように無断で盗用されてしまった。

曽我若菜も大したものだ。このようなマイナーサイトから、このような質の高い音楽を見つけられるとは。運が良いと言うべきか、それとも計算づくだったと言うべきか。