第491章 女の直感

練習室では、賑やかさが続いていた。

水野日幸はもうそちらに加わることはなく、練習は終わり、夕食の時間になっていた。

練習生たちはまだ誰も食堂に行かず、みんな一つの練習室に集まって、心の中がどうであれ、表面上は羨望と崇拝の表情で曽我若菜を見つめていた。

木村鷺は今になって少し後悔していた。彼女のこのような行動が、無意識のうちに曽我若菜を助けることになってしまい、講師たちは今や彼女を宝物のように扱い、一対一の指導をするつもりのようで、それを見ると本当に気分が悪かった。

曽我若菜は首を傾げ、優しく木村鷺たちに微笑みかけた。彼女たちが蠅でも飲み込んだような、とても不愉快そうな表情をしているのを見て、心の中で得意げに感じた。

この下劣な連中め、私の失態を見たかったの?甘い考えね。

数人の講師たちは、曽我若菜が書いた曲を見たが、特別なところは見出せなかった。ただの初心者が書いた普通の曲で、歌詞も曲も平凡だった。しかし夕子先生が良いと言ったのだから、きっと取るべき点があるはずだった。

しかし、その取るべき点を、谷川陽も夏目弥生も藤原遥も見出すことができなかった。結局のところ、彼らはみなシンガー出身で、シンガーソングライター出身ではなかった。

五人の中で、シンガーソングライターとして、自分で作曲作詞して歌える人は、実際のところ、木村春奈と曽我言助の二人だけだった。

「言助、どう思う?」谷川陽は最初に曽我言助の意見を求めた。彼は音楽の天才で、キャラ設定云々は別として、少なくとも曲も歌詞も自分で書いているのは間違いない事実だった。

曽我言助の曲は、歌詞も曲も特別驚くほどではないが、現在の音楽界では、レベルが高く、質の保証された数少ない曲の一つとなっていた。

彼自身も曲を書いてシングルを出したことがあり、創作は歌うよりも難しいことを知っていた。歌うのは誰でもできるが、作曲は誰にでもできるわけではない。

藤原遥も非常に興味深そうに曽我言助を見ていた。結局、彼女自身はただのシンガーで、作曲は彼女の専門ではなかったが、デビューして何年も経つ中で、本当に良い曲は一目で分かる鋭い感覚を持っていた。

曽我若菜の書いた曲は、本当に平凡で、歌詞も曲も平凡だった。