第549話 これはどんな天才なの

彼女は認めざるを得なかった。目の前の女性は本当に美しく、その美しさは生き生きとしていて、まるで俗世を超越したような、嫉妬を誘うほどの美しさだった。

水野日幸の方では、メイクアップアーティストの手が震えていた。彼女のメイクの技術を目の当たりにした後では、とても彼女にメイクを施す勇気など出なかった。おずおずと彼女の意見を求めた。「神様、私では上手くできないと思います。ご自分でされてはいかがでしょうか?」

彼女のメイクの技術は、まさに神仙級。自分なんて小エビ程度の存在で、とても神様の顔に手を付ける勇気などなかった。

水野日幸は微笑んで言った。「大丈夫よ、やってみて」

メイクアップアーティストは震える手で、泣きそうになりながら言った。「神様、やっぱりご自分でお願いします!」