第583話 私を迎えに来てくれたの

出雲絹代は贈り物を受け取り、彼らを家に招き入れながら、鼻先が少しつんとして、目も熱く潤んでいた。彼らの息子は、あまりにも心配させ、そして思いやりがありすぎた。

一橋渓吾は周りを見回したが、水野日幸の姿が見えなかった。尋ねてみると、彼女は会社に行っていることがわかった。今日は出雲七の脚本による新作のオーディションがあるとのことだった。

水野日幸は出雲絹代から一橋渓吾が帰宅したと聞き、仕事の引き継ぎを済ませ、源那津に一声かけて帰宅することにした。帰る前に音楽部門に寄って水野春歌を呼びに行ったが、水野春歌は城戸修とキラキラ☆ガールズの新アルバムの作業で忙しく、ちょうど重要な時期だったため、後で帰ると言った。

「お姉ちゃん、早く帰ってきてね!」水野日幸は言い残した。

「わかったわ」水野春歌は彼女の方を振り向いて笑顔で手を振った。「気をつけて帰ってね。家に着いたら電話してね。」