その日以来、水野日幸は自由気ままに過ごしていたが、しばらく水野に会っていないような気がした。水野はいつも忙しく、家にも帰れないほど忙しかったので、彼女は電話で話すしかなかった。
出雲絹代の方では、錦雲の秋季ファッションショーの後、高級ドレスの展示会もあり、以前より忙しくなっていた。食事も寝泊りも会社でするほどだった。
水野日幸は夜に授業があってもなくても家に帰り、選択科目の授業がある夜も基本的に9時には終わっていた。長谷川深が迎えに来れば家に帰り、迎えに来なければ寮に泊まり、大方笑子と江川薫という二人のルームメイトとの関係もますます良くなっていった。
11月中旬、出雲七が脚本を手がけた新しいドラマが、ついに待望の公開となった。ドラマのタイトルは『天運の娘』で、キャストと役柄も予定通り発表されたが、ドラマの内容については一切漏れておらず、視聴者たちの間でさまざまな憶測が飛び交っていた。