第646章 突然の驚き

プレゼントボックスがリビングの目立つところに静かに置かれ、その上には猫が乗っていた。飴と石田文乃家の美美が上で寝そべっていた。

水野日幸と石田文乃が下りてきた時、リビングにある巨大なプレゼントボックスを見て、疑問の表情を浮かべた。「これは誰のプレゼント？中には何が入ってるの？」

村田思が手を挙げて、にこにこ笑いながら言った。「師匠、私と師祖からのプレゼントです。今はまだ内緒です。」

出雲叔母は彼女と師匠に、このプレゼントを贈る役を任せた。

水野日幸が近づいて、つま先立ちしても飴に届かなかった。プレゼントボックスが大きすぎて高すぎたのだ。師匠たちが何を用意したのか分からないが、指で軽く叩いてみると、空っぽだった。

石田文乃が後ろでずる賢い笑みを浮かべながら、プレゼントボックスを見つめていた。心の中では感心するばかりで、自分の恋愛があまりにもスムーズすぎたと感じていた。日幸と飴パパのような関係の方が面白いのに。

リビングでは、みんなが忙しく動き回っていた。

水野春智が料理を運んできた時、娘が美しい赤いマーメイドドレスを着ているのを見て、まるで天女が舞い降りたかのような美しさに、ますます複雑な気持ちになった。

結婚式でもないのに、ただの十八歳の誕生日で、家族が集まるだけなのに、なんでこんな盛大な格好をするんだ？あの小僧に見せびらかすためか？

水野日幸は主役だったので、誰も手伝わせてくれず、石田文乃にドレスを着るよう強要され、何をするにも不便で、ソファに座ってテレビを見ながらお菓子を食べるしかなかった。

藤田清明も手伝いには加わらず、隣に座っているだけで、何も話さず、冷たい表情で、時々眉をひそめて彼女を見つめていた。

水野日幸はひまわりの種の殻を投げつけて言った。「何よ、今日は私の誕生日なのに。」

午前中に帰ってきた時はとても嬉しそうだったのに、今はどうしてこんな様子なんだろう。まるで誰かにお金を借りられて返してもらえないみたいな顔をしている。

藤田清明はふんっと鼻を鳴らし、何も言わずにテレビを見続けた。目の端でリビングの大きなプレゼントボックスを見やり、中の人が窒息して死んでしまえばいいのにと呪った。