第693章 お坊ちゃまにもこんな日が

後ろには一連の蹴りの絵文字が続いており、彼女が今は彼と話したくない気持ちを表現していた!

藤田清義は最後に、自分が極めて信頼できないと思う答えを検索エンジンで調べてみた。様々な回答があったが、最も多かったのはミルクティー、チョコレート、飴菓子、ケーキなどの甘いものだった。

彼はネット上のこれらの答えを疑わしく思い、最後に景山昱にメッセージを送った:「水野日幸は何を食べるのが好きなの」

送信しようとした時、さらに数文字を追加した:「清輝には言わないで」

景山昱は常に清輝の側にいる人物だから、最もよく知っているはずだ。

景山昱は仕事中で、藤田清輝と一緒に日本に戻っていなかった。藤田清義からのメッセージを見て、正直に一つ一つ全て詳しく返信した。

長男も今日という日があるんだな、自分に質問してきて、しかも次男には言うなとのこと。きっと他の人にも聞いたけど、誰も教えてくれなかったんだろう!

藤田清義は返信を見た。たくさんあり、長い文章で、分類されて詳しく書かれていた。甘いもの、塩辛いもの、辛いもの、酸っぱいものも好きで、要するに何でも好きで、美味しいものは何でも食べるということだった。

彼は自分から八尺も離れたがっている少女をこっそり見て、目に疑問の色が浮かんだ。女の子はみんなこうなのだろうか?

車が空港の駐車場に停まった時、藤田清義は水野日幸に言った:「渓吾と一緒に迎えに行って。私は少し食べ物を買ってくる。後で腹持ちにしよう」

水野日幸は形だけ返事をし、明らかに上の空だった。車を降りると、一橋渓吾と一緒に石田文乃を迎えに行った。

石田文乃は番組のリハーサルが終わった後、自分で戻ってきた。明後日は元旦で、明日の夜は年越しイベント、彼女たちのスケジュールはこの二日間C市にいることになっていた。彼女は水野日幸に会いたくて、何とか頼んで休みをもらった。

セキュリティチェックを出たところで、向かい側で待っていた水野日幸と一橋渓吾を見つけた。一橋渓吾はまだいい方で、映画もまだ公開されていないので、今は一般人同然だった。ただ容姿が優れていて、気品のある雰囲気が通行人の目を引き、通りすがりの女の子たちが連絡先を聞きに来る程度で、大きな騒ぎにはならなかった。