第215章 疑われた深い愛(3)

田中大翔は全国チェーンの中華料理店の広告契約を結んだ。その店はケンタッキーのような感じで、24時間デリバリーを行っており、看板メニューは小龍蝦だった。

契約書は田中大翔のマネージャーと環映メディアの著作権部がすでにチェックを済ませており、基本的に問題はなかったので、田中大翔は簡単に目を通してからペンを取って署名した。

鈴木夏美は田中大翔が署名を終えた時、彼の契約書を手に取って一瞥し、契約金の後ろに並ぶ零を見ても特に反応を示さず、むしろ田中大翔に向かって契約書に載っている小龍蝦の写真を指さして言った。「小龍蝦は和香が大好きなの。深夜によく吉祥寺に連れて行かされたわ」

「そうなの?」田中大翔は横を向いて、鈴木夏美に優しく微笑みかけ、そして署名を続けながら言った。「僕が契約している店の小龍蝦は美味しいよ。もし好きなら、今度君たちを連れて行くよ。無料で、思う存分食べられるから」