第216章 疑われた深い愛(4)

スタッフたちは来栖季雄が夜食を奢ると聞いて、すぐに歓声が上がった。

アシスタントは気前よく一人一箱ずつ配り、来栖スターからの夜食をいただけるというのは確かに嬉しいことで、何人かは写真を撮ってSNSに投稿した。すると、今夜撮影現場にいなかった俳優たちも集まってきたが、幸いアシスタントは余分に買っていたので、来た人全員に行き渡った。

スタッフたちは夜食があると聞いた時点で、急いで長い板を持ってきて即席の大テーブルを作り、みんなでそれを囲んで座って食べられるようにした。

今夜は鈴木和香のシーンがあり、メイクを落として戻ってきた時には、長テーブルの周りは既に人でいっぱいだった。彼女が席を探していると、松本雫が手を挙げて彼女の名前を呼んだ。鈴木和香は馬場萌子を連れて行くと、松本雫と来栖季雄の間にちょうど二つの空席があった。