松本雫は馬場萌子の隣に座り、その言葉を聞いて思わず噴き出して笑い、頭を伸ばして来栖季雄の冷淡な横顔を見つめながら、自己の箱の中から小龍蝦を差し出し、声を潜めて冗談めかして言った。「来栖スター、もう少し遊んでみたら?」
来栖季雄は松本雫の面白がった顔を軽く一瞥し、最初は無視しようと思ったが、目の端で真剣に小龍蝦の身を取っている鈴木和香を見かけたので、手を上げて松本雫の箱から小龍蝦を一匹取り、優雅な仕草で殻を剥き、その身を鈴木和香の箱に入れた。
「ふふ」松本雫は即座に冷やかすような表情を引っ込め、来栖季雄に向かって冷ややかに二度笑い、箱を自分の前に戻すと、小龍蝦を剥きながら、何か思い出したかのように感嘆した。「小龍蝦を剥くのって、本当に面白いわね!手が油まみれになって、ちぇっちぇっちぇ...こんな面白いゲーム、初めてだわ...」