第279章 あなたへの誕生日プレゼント(19)

鈴木和香は千代田おばさんが帰った後、もう5時になっていることに気づき、椎名佳樹の誕生日パーティーまであと2時間しかないことを思い出して、急いで階段を上がってシャワーを浴び、メイクを始めた。

-

夜に椎名佳樹の代わりに誕生日パーティーに出席するため、秘書は午後4時以降の来栖季雄のスケジュールを全て空けていた。そのため、来栖季雄は朝から会社に着くとすぐに特に忙しくなり、昼食さえもオフィスでデリバリーの弁当を適当に食べるだけだった。

毎週金曜日、環映メディアには定例会議があり、通常は午後3時に設定されているが、今日は1時に前倒しされた。

会議が終わったのは3時で、来栖季雄が会議室から自分のオフィスに戻る途中、ちょうど田中大翔のオフィスの前を通りかかった。

鈴木夏美は夜に椎名佳樹の誕生日パーティーに参加するため、わざわざ環映メディアに来て田中大翔と一緒に行くつもりだった。