第322章 2つの「ごめんなさい」(2)

休暇の四日目の昼頃、鈴木和香は下腹部に違和感を覚え、生理が来そうな感じがした。

彼女は幼い頃から生理痛に悩まされており、生理も不規則で、時には三、四ヶ月に一度しか来ないこともあった。病院で検査を受けたが、特に問題はなく、漢方薬で調整したところ、その半年間は確かに良くなったものの、その後また不規則になってしまった。薬を飲み続けるのは体に良くないと思い、別の病院で検査を受けたところ、子宮も卵巢も特に異常がなかったため、結局薬を飲むのをやめた。

しかし、鈴木和香の下腹部の違和感はしばらくで収まり、午後にはもう何ともなくなっていた。

夕食の時、千代田おばさんが尋ねた。「奥様、最近来栖社長は出張でいらっしゃるんですか?ずっとお帰りになっていないようですが。」

この質問に和香は少し戸惑い、しばらくしてから曖昧に「うん」と答え、食事を続けた。