第404章 さようなら青春、さようなら私の恋(14)

椎名佳樹は鈴木和香がまだ言い終わっていないことを察したようで、少し怠そうに後ろに寄りかかり、自分にとって快適な姿勢を見つけた。怒りも驚きもなく、ただ鈴木和香の目を見つめながら、落ち着いて彼女の次の言葉を待っていた。

鈴木和香は唇を動かした。「私は、あなたが事故に遭った後で初めて、鈴木家と椎名家が政略結婚の約束をしていたことを知りました。あなたが事故に遭って、みんなが椎名家には後継者がいなくなったと言い、椎名グループの取締役会が大混乱に陥りました。最後には仕方なく、来栖季雄にあなたの代わりを務めてもらい、鈴木家との結婚を通じて、椎名家の危機を一時的に乗り切ることにしたんです。」

「鈴木家の人たちは、私以外誰も、当時のあなたがまだ意識不明の状態だったことを知りませんでした。椎名おばさんが直接私を訪ねてきて……」