第452章 なぜ私の子供を望まなかったの?(12)

つい先ほどまで大丈夫だったのに、なぜ突然涙が零れたのか、来栖季雄は慌てた表情を見せた。「和香……」

「なぜ降りてきたの?」来栖季雄の言葉が終わらないうちに、鈴木和香は突然泣きながら問いただした。

その問いかけと共に、鈴木和香は胸の中の何かが崩れ落ちるのを感じた。

この間ずっと必死に抑えてきた感情が、このように爆発してしまった。

彼女は彼の表情を見つめながら、興奮した様子で、震える唇で先ほどの言葉を一字一句ゆっくりと繰り返した。「来栖季雄、誰があなたに余計なことをして、私を助けに来いって言ったの!」

鈴木和香の涙ながらの最後の問いかけに、彼女の突然の涙に動揺していた来栖季雄の心は一瞬で冷え切った。高熱で病的な眉間が少し動き、暗い影が過った。血の気のない唇が僅かに動いたが、声は出なかった。