第453章 なぜ私の子供を認めないの?(13)

彼は幼い頃から、何度も冷やかされ、嘲笑われ、実の父親からさえ心無い言葉を投げかけられてきたが、今ほど惨めな思いをしたことはなかった。

何か反応を示したい、何か言いたいと思ったが、どうすればいいのか分からず、ただ固まったまま、冷たい表情で座っているしかなかった。

どれくらいの時間が経ったのか、来栖季雄は女性の泣き声が次第に小さくなっていくのを聞いて、やっと少しまつ毛を動かした。

彼はずっと、告白すれば彼女を失うかもしれないと思い、黙って寄り添うことを選んでいた。

たとえ彼女が一生涯、振り向いて彼を見ることがなくても、それでもよかった。

なぜなら、この世界で彼女だけが、彼に美しさと希望を見せてくれる存在だったから。

多くの場合、彼女が投げかけてくれる一つの眼差し、一つの微笑みだけで、何日も心が温かくなれた。

しかし、そんなささやかな願いさえも、最後には叶わない贅沢になってしまった。

来栖季雄の目が少し赤くなり、まぶたを伏せ、しばらく静かに佇んでから、やっと目を開けて鈴木和香を見つめた。その瞳には、いつもの冷淡さが宿っていた。

和香、分かるかい?君は僕の人生で、必死になって近づきたかった温もりなんだ。

来栖季雄の唇に、かすかな笑みが浮かんだ。とても薄く、苦みを帯びた笑みだった。しかし今、彼は彼女にもう二度と邪魔をしないと言わなければならなかった。

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鈴木和香はこれほど泣いても、心は晴れず、依然として苦しみと葛藤に満ちていた。

彼の署名のある中絶同意書を見たとき、彼女は悲しく、臆病で、来栖季雄になぜ子供を下ろしたのかと尋ねる勇気すらなかった。自分を生きる気力を失わせるような答えを、彼の口から聞くのが怖かったから。

でも、彼女の臆病さが、今このような苦しい苦悩をもたらすとは思わなかった。

彼女は解放されたかった、けじめをつけたかった、完全に心が冷え切ってしまいたかった……

鈴木和香はそこまで考えて顔を上げ、赤く腫れた目で来栖季雄を見つめた。

洞窟の外では大雨が止むことなく降り続いていた。鈴木和香が口を開く前に、また二筋の涙が頬を伝って流れた。深く息を吸い込み、泣きすぎて掠れた声で言った。「どうして私の子供を産ませてくれなかったの?」