鈴木和香は少し食べ続けるのが恥ずかしくなったが、エビの身は全部剥いてしまった。
テーブルが少し大きかったので、鈴木和香が来栖季雄の茶碗に入れようとすると、お尻を椅子から離して、手を大きく前に伸ばさなければならなかった。
来栖季雄は椅子に寄りかかって電話をしていたが、注意は常に鈴木和香に向けられており、特に少女がエビを食べ始めた時、目元に温かみが宿った。
来栖季雄は突然、鈴木和香が手を伸ばして自分の方に差し出すのを見て、鈴木和香が自分にエビを食べさせようとしていると思い、少し驚いたような表情を浮かべながら、まるで恐縮したかのように身を前に傾け、口を開けて、鈴木和香が本来茶碗に入れようとしていたエビの身を咥え取った。
鈴木和香は男性の温かい唇が自分の指に触れるのをはっきりと感じ、しびれるような感覚と共に、手の中のエビの身が消えた。