第437章 彼の静かな寄り添い(24)

来栖季雄は淡々とした口調で言った。「前に手配した例のラジオのバラエティー番組だけど、9日に収録があるから、準備を忘れないようにね」

仕事の話だったのか……鈴木和香は「分かりました」と答えた。

電話の向こうの来栖季雄は沈黙に包まれた。

鈴木和香は携帯を握りながらしばらく待ち、再び口を開いた。「他に用件はありますか?なければ、切らせていただきます」

約1分後、来栖季雄が「うん」と返事をし、鈴木和香は「さようなら」と言って電話を切ろうとした時、来栖季雄の声が再び聞こえてきた。「和香……」

鈴木和香は切るボタンを押す動作を止め、黙っていた。

電話の中で一瞬の静寂が流れ、来栖季雄の声が再び聞こえた。「最近、体調があまり良くないんじゃないか?バラエティー番組の収録は少し疲れるかもしれない。次回に延期するよう、スタッフと相談した方がいい?」