第520章 嫁げないなら、僕が娶ろう(20)

「それと、何か探し物があったら、分からないことがあったら、私に聞いてね」

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来栖季雄は午前中ほとんど仕事が手につかず、会議中も頻繁に心ここにあらずの状態で、昨夜起きたことすべてが、まるで夢のように非現実的に感じられた。

ようやく会議が終わり、来栖季雄はオフィスに戻ると、携帯を取り出して鈴木和香にLINEを送った:【起きた?】

鈴木和香はダイニングテーブルで来栖季雄が用意した朝食を昼食として食べているところで、手に揚げパンを持っていたため打ちにくく、片手で音声メッセージを押して、もごもごと言った:「起きたよ」

来栖季雄:【何してるの?】

鈴木和香は直接写真を送ってきた。

来栖季雄は見慣れた自宅のダイニングと朝買った朝食を見て、午前中ずっと抱いていた幻想が、やっと少し落ち着いた。