第467章 安らかで素敵な時(7)

来栖季雄の動きが止まると、鈴木和香は我に返り、反射的に来栖季雄の腕から身を離し、顔を赤らめながら俯いて服を整え、外に向かって返事をしてから、来栖季雄を一目見て先に出て行った。

「門の前に二台の車が止まっていて、あなたたちを迎えに来たそうです...」千代田姉が話しながら中庭を指さすと、鈴木和香は外に出て、中庭に立っている人々を見て一瞬驚いた後、すぐに笑顔になった。「お姉ちゃん、佳樹兄!」

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来栖季雄は元々鈴木和香の後ろについていたが、彼女が呼んだ二つの名前を聞いた瞬間、その場に立ち止まった。しばらくしてから、歩み寄って玄関まで来ると、中庭で談笑している三人の姿が目に入った。

椎名佳樹は鈴木和香の足が怪我をしていることを知っていたのか、彼女を支えて木の下のベンチまで連れて行き、その前にしゃがんで、彼女のズボンの裾をまくり、傷を確認した。