第703章 説明(月票加更11)

そして鈴木和香がすぐに続けて言おうとした「私もあなたを丸々十三年間、青春の時間をかけて愛してきた」という言葉は、電話の中のツーツーツーという音によって、喉元で押し殺されてしまった。

なんてこと!

鈴木和香は携帯を思い切りベッドに投げつけた。来栖季雄はいったい何のつもりだ、彼女の電話を二回も続けて切るなんて!

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来栖季雄は再び携帯を投げ捨て、まるで時が止まったかのように、ホテルの部屋で呆然と長い間立ちすくんでいた。そして喜びが潮のように次々と彼の心に押し寄せ、彼の全身を一瞬で飲み込んだ。

来栖季雄は、自分の人生でこれほど興奮し、喜び、幸せを感じたことはないだろうと思った。

あの夜、彼を生きた心地もさせず、今でも思い出すと胸が痛む「あなたに資格があるの?」という言葉は、彼女が送ったものではなかったのだ。

あのメッセージは、いったいどういうことだったのか?

この疑問は来栖季雄の頭の中にちらりと浮かんだだけで、すぐに頭の後ろに追いやられた。

彼にとって、陰謀や痛みは最も恐ろしいものではない。

最も恐ろしいのは、深く愛する少女に嫌われることだった。

今、彼女は彼に告げた。彼女は一度も彼を嫌ったことはないと。

彼は自分の心の奥底で、昼も夜も押さえつけられていた重荷が、一瞬にして取り除かれ、それに伴って彼自身もどこか軽くなったように感じた。

来栖季雄はこの天にも昇る驚きの衝撃の中で、まるで馬鹿のように、丸々十分間呆然としていた。そしてようやく我に返り、急いで携帯を拾い上げ、ルーシーに電話をかけ、医者を呼ぶ必要はないと伝えた。

電話を切ると、来栖季雄は携帯を握りしめ、先ほど鈴木和香が電話で言った言葉を思い出し、独りでにまた口元を緩めて笑った。

和香は彼を一度も嫌ったことがなかったのだ…

言葉では表現できない満足感が、彼の心の底から急速に広がり始めた。

電話が鳴るまで、喜びに完全に浸っていた来栖季雄はようやく少し我に返り、着信表示を見ると、アシスタントからの電話だった。そこで電話に出ると、気分が良すぎたせいか、いつもならアシスタントが先に「来栖社長」と呼びかけた後に初めて声を出す来栖季雄が、なんと前代未聞の積極的な口調で「どうした?」と尋ねた。