第705章 スキャンダル(月票加更13)

何の午後3時の重要な会議だろうと、もはや重要ではなかった。何も重要ではなかった。今の彼にとって、ただ国に帰りたい、彼がいない間に、こっそりと彼のためにこれほど多くのことをし、彼にこんなに大きな驚きを与えた彼女のそばに帰りたいだけだった。

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来栖季雄に連続で二回も電話を切られた鈴木和香は、本当に少し憂鬱な気分だった。特に二回目は、彼女の心は感動で満ち、雰囲気も丁度良く、彼女は心の柔らかさで長年心の奥底に隠していた恋心を告げようとしていたのに、結果として、来栖季雄はそんな風情も分からず空気を読まずに「カチッ」と電話を切ってしまった。

そしてその言葉は鈴木和香の喉に詰まったまま、上にも下にも行かず、考えれば考えるほど少し悲しくなった。

特に鈴木和香が来栖季雄は自分の過ちに気づいて、自分に電話をかけ直すと思っていたのに、結局彼女が深夜12時半から明け方の3時まで待っても、電話はおろか、メッセージさえも来なかった。