「変だって?」来栖季雄は眉間にしわを寄せ、手を伸ばして鈴木和香の額に触れた。体温は正常だったが、それでも少し心配で「病院に行った方がいいんじゃない?」
「いいえ、大丈夫……」鈴木和香はそう言いながら、また目玉焼きを一口かじった。先ほどの不快感はなくなっていたので、完全に自然な様子に戻った。「もう何ともないわ」
「……」来栖季雄は少し間を置いて、食卓の椅子に座り直した。パンを手に取りながら、もう一言付け加えた。「具合が悪くなったら、無理せずに病院に行くんだよ」
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その夜、コンテストに参加するために会場に向かうと、入り口には多くの記者が集まっていた。
しかし、この状況は予想していたので、多くの警備員を手配していた。フラッシュが絶え間なく焚かれる中でも、鈴木和香は何の妨げもなく撮影会場に入ることができた。