先ほどまで来栖季雄に感動して泣きじゃくっていた鈴木和香は、思わず声を出して笑ってしまい、自分がまだ図書館にいることに気づいて、急いで手で口を覆った。
来栖季雄は本当に子供っぽい……あのラブレターゲームにはまってしまったのね!
鈴木和香は来栖季雄を子供っぽいと罵りながら、自分はもっと子供っぽく来栖季雄に返事を送った:「わかったわ、来栖くん」
-
鈴木和香が図書館を出ると、すでに日が暮れていた。
図書館からグラウンドまではやや遠く、以前高校生の頃は、休み時間に散歩するのに、だいたい20分ほどかかっていた。
鈴木和香は身ごもっていたため、心の中では焦っていたが、急いで歩くことはできなかった。さらに週末だったため、キャンパス内の街灯もあまり点いておらず、彼女がバスケットコートに着いたときには、すでに7時40分になっていた。
バスケットコートを通り過ぎると、グラウンドの入口があった。
グラウンドの主席台には遠光照明があり、普段点灯していると夜を昼のように明るく照らすことができるが、今日のグラウンドでは普通の街灯が数灯しか点いておらず、光は少し黄色がかっていて、かろうじてトラックが見える程度だった。
鈴木和香がトラックに足を踏み入れると、すぐに来栖季雄からメールが届いた:【今いる場所から、そのまままっすぐ歩いて】
鈴木和香は言われた通りに歩き始め、主席台の前に来たとき、また来栖季雄からメールが届いた:【主席台に背を向けて、中央の方向に歩いて】
鈴木和香はその場に立ち、少し疑問に思ったが、結局は体を回して、グラウンドの中央へと歩いていった。
グラウンドの中央に近づくにつれて、光はどんどん暗くなっていった。鈴木和香は自分がどれだけ歩いたのかわからなかったが、来栖季雄の姿はまだ見えなかった。彼女が携帯を取り出して来栖季雄に電話をかけようとしたとき、突然グラウンドに点いていた数少ない灯りも消えてしまった。
今夜は月明かりもなく、グラウンド全体が一瞬で真っ暗になった。頭を上げると、かすかに数個の星の光が見えた。
鈴木和香はその場に立ち尽くし、心の中で不安と焦りを感じ始めた。彼女は急いで携帯の画面を明るくし、来栖季雄の電話番号を探した。まだダイヤルする前に、突然耳元で爆竹が破裂するような音が響いた。