第17章 私は自分の潔白に責任を持たなければならない

ブラックファイブクラブの個室。

鈴木知得留が話し終えると、冬木空と北村忠は黙って彼女を見つめていた。その視線に知得留は少し居心地が悪くなり、普段の調子を取り戻そうと努めた。「私の話は以上です」

冬木空の口角が少し上がったように見え、「ああ」と返事をした。

「何か考えや意見はありませんか?」と知得留は尋ねた。

「ない」

「じゃあ、今のあなたの態度はどういう意味なんですか?」知得留は冬木空が全く理解できなかった。

「お前の芝居を見守るだけだ」と冬木空は答えた。

知得留は時々、冬木空との会話で本当に頭にくることがあった。

「じゃあ、私は先に失礼します」

どうせ、二人には話すことなどない。

「待て」と冬木空が突然彼女を呼び止めた。

その瞬間、知得留は少し嬉しくなった。

「車を持ってきていない。送ってくれ」と冬木空は率直に言った。